間に合わず

これ去年にあった話なんだけども、うちの近所(まぁ近所と言っても3駅ほど離れてるんだが)にちょっとした心霊スポットってのがあ
るんだわ。んで、この心霊スポットってのが私の住んでる県では結構有名で年がら年中、季節問わずに肝試しなんかで訪れる奴ら
が多いとこなんだけど、まぁ、うちらもその類に漏れず、肝試しと称してバイト先の連中とそこに行ってみたんだよねぇ。

行ったのは私とバイト仲間のSとK、んでKの彼女のYにその友人のT。このうちSってのが、まぁこの手の話にありがちな「霊感の強い」
って奴で、いつもこういうの肝試しとかにはいかないんだけども、今回は強引にみんなで誘って参加させた。だってこういう奴がいたほう
がなんかありそうで、さらに怖さは増すじゃない?w

その心霊スポットに行ったのはバイト終わってからだったんで、深夜の2時過ぎくらいだったかなぁ。Kの車にみんなで乗って道中、気分を
高めるために怪談話なんかしてさぁ、んでバイト先から大体30分くらいしてかな。
その心霊スポットについたんだわ。しかし流石に人気の心霊スポット。もう深夜の3時近い時間だってのにすでに先客が居たんだよね。
うちらが着いて「さて行こうかぁ」と車を降りたときに、その心霊スポットのあるほうからカップル2組が「怖かったぁ」とか「なんか声
したよねぇ」とか言いながらキャッキャウフフで歩いてきたんだわ。

正直、そんなの見ちゃうとさぁ怖さ半減って奴?これからうちらがキャッキャウフフしながら行こうかとしてんのに、先にやられちゃったんだからさぁ。
まぁ、ちょっとモチベーション的には落ちたんだけども、着いたからには行こうってことになってその場所目指して歩き始めたんだよね。
で、その心霊スポットって奴なんだけど、県道からちょっとした畦道にはいった先にある一軒家で、そこではなんか一家心中があったとか家族が惨殺
されたとかっていう話で家族の霊が見えたとか声が聞こえてくるとかで有名になったんだけども、ちょうどその畦道を半分くらいまでいったとこでかなぁ、
突然Sが「やばい、クソがしたい」とか言い出したんだわ。
もうさ、、、先にきてたカップル2組にキャッキャウフフを見せつけられて怖さ半減してるとこに、いきなりSの
「クソがしたい」発言、、、、、、もうね心霊スポットはすぐ側にあるのに肝試しにきてる感覚なんてなくなっちゃったよw
ただKは彼女のYを連れてきてるもんだから、ちょっと良いとこ見せたくて行きたいわけだ。だからSに「おまえ、ちょっとは
我慢出来ない?」とか聞いてるんだけども、Sは限界らしくて「いや駄目、マジでやばい、ちょっとコンビニまで行こ」とか言ってる。
私はすでに気持ちが萎えちゃったからコンビニに行くのに賛成した。Kは結構、渋ってたけど「また、もう一回来ればいいじゃん」
と促して車に戻ることにしたんだわ。

まぁ、何事もなく車に戻ってきてKが「クソしたら、もう一回来るからな」とか言ってエンジンかけたんだけども、その時Sが
「あ~あ、、、間に合わなかったか、、、」とか言い出した。氷つく車内、、、、一斉にSに注がれる視線。

「こいつ、、、、やりやがった、、、、」

このとき、みんなそう思ったとおもう。ただSは至って冷静な表情で「おまえ等、とりあえず”真っ直ぐ前向いてろ”、んで車すぐにだせ」
とか言ってる。「おまえ、、、”漏らした”くせに、なに冷静になって言ってんだよ」思わずこれを口に出そうとした瞬間、Sの隣に座ってたTが
「キャァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」とか叫び出した。

ブツが漏れだしたのか!!

正直、そう思ったんだけども、どうにもTの様子がおかしい。普通だったら”漏らした”Sの尻辺りを見て叫ぶはずなのに、
視線は助手席にいるYのほうを向いていた。なんだ?とか思ってその方向を見てみると、
Tが叫ばずには居られなかったモノが居たんだよね、、、、、その助手席の窓の先にさ、、、、、
居たのはさっきみたカップル達、それがさもうなんていったらいいんだろ、、、血の気のない顔っていったらいいのかな、
ほんと真っ青な顔して立ってるんだよね一人ずつでさ、、、、助手席、運転席、後部座席、、その窓からさ、覗いてるんだわ、、、
車内をさぁ、、、もう全員パニック状態。Kも車をすぐに出せばいいのにパニクっちゃって叫んでるだけ、YもTも涙声で悲鳴を上げてる、
当然のことながら私も完全にパニクってた。ただSだけが必死に「K、いいから車だせ!大丈夫だから早くだせ!」って言ってる。
KはSの声に気づいて焦りながらも車を発進させた。マジで途中で事故るんじゃないかと思うくらい焦ってたと思う。

その場を逃げ出して10分くらいかな、、、Sがもう大丈夫だって言った。ただYもTも泣きやんでないし、私もKも恐怖で震えてた、
だってあんなもん見たのは初めてだったからねぇ。で、しばらくたってKが「あれってマジ?それともうちらが早めに帰ってきたから、
さっきのカップルがイタズラでやったの?」ってSに聞いた。Sはいたって冷静に「あれはマジもんだねぇ、最初見たときから気づいて
たけど、ただあの状況で帰ろうとは言えなかったからさぁ、だから途中で引き返すように”クソがしたい”って言ったんだけども、
ごめん間に合わなかったみたいだわ、けども先まで行かなくてよかったよ、いったらもっとヤバかったかもしんない」って答えた。
んで続けて「あの手のは結構タチが悪いんだけども、害はないと思うよ」とか言った。「タチが悪いって、なにが?」って私が聞くと
「あれさぁ、この世に未練があるとかじゃなくて楽しむために残ってる奴なんだよねぇ、だからさぁ、あっこでお払いとかやっても無駄、
自分達が十分楽しむまで居続けるからタチが悪いんだよねぇ。まぁ、呪われるとかそういうのは無いぶんマシではあるけどね」とか言った。
見ても害は無いのかと、ちょっと安心したんだけどもSはなんかちょっとムッとしてた。
んで「あいつらさ、俺らが焦って逃げ出した後、何してたか見たか?」って聞いてきた。
んなもん見れるほど冷静じゃねぇよってみんなが言うと「あいつら喜んでハイタッチとかしてやがった、、、
すげぇムカつくわ」って教えてくれた。

それを冷静に見れるSは凄いなって思ったけど、それ以上に霊っていろんな奴がいるんだなぁって思った体験でしたw

ーおしまいー??

コメント

  1. ナミダ より:

    青白い顔でハイタッチ…
    シュールすぐる

  2. てす より:

    改行関係ないのかよ!

  3. 匿名 より:

    幽霊DQNェ・・・

  4. 匿名 より:

    リア充成仏しろ

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