これは母から聞いた話である。
昔、アパートで一人暮らしをしていた母。
今日からアパート暮らし!新生活にわくわく胸を踊らせながら起きた母。仕事の関係で実家とは少し放れた場所のアパートに住んでいる。
夜6時仕事も終了し帰宅。
疲れたから早めに寝ようと布団に入った。
布団に入り数分もたたないうちに寝てしまった。
ところが夜中になると母は目を覚ました。
ウッウウウッウウ~すぐ側から女のすすり泣きが聞こえてきたのだ。
え?と思い母は横を見てみた。
するとーー
長い髪の女(顔は見えない)がすぐ横で正座して泣いているではないか。
母は怖くなりそのまま目をつぶった。
ピチチチ
鳥の鳴き声が聞こえる。
あぁもう朝か‥‥
そういえば昨日の女の人は?疑問に思い横を見たが誰もいない。
あれは夢だったのか?いや、夢だったんだと自分にいい聞かせた。
そして仕事帰り。
昨日と同じくすぐ布団に入った。がまだ眠れない。
どうしたんだろうと思ったが目をつぶってみた。
ところが‥‥。やっとウトウトしてきた所だったのにまた昨日のすすり泣きがすぐ横で聞こえたのだ。
まただ‥‥。
でも今日はこれだけでは終わらなかった。
急に寝ている布団が壁に吸い込まれるように動き出したのだ。
さすがにびっくりした母。キャアァァと声を出してしまった。
その瞬間女の人が鳴くのをやめた。
かと思ったら急に母の前まできて「でていけ!!」と凄い形相で言った。
それにあの女の顔には目玉がなかった。
母は恐ろしくなりそのまま気絶してしまったらしい。
朝になると急いで荷物をまとめアパートから出ていった。
その話を祖母にしたらこう言ったそうだ。「あのアパートができる前、あそこは昔、墓地だった。」と言った。
母はだから女の人が泣いていたり、でていけといっていたのかと納得をした。
そのアパートは今もまだあるらしい。
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