渓流へ釣りに行った男の話

渓流へ釣りに行った男の話

初めて行く渓流だが、男は何故か以前にも同じ場所へ来たことがあるような気がしてならない

デジャブだろうか、天気は良かった、男は不思議な気分のまま誰も居ない渓流で釣りを始めた
何も釣れないまま多くの時間が過ぎてしまったが、不意に獲物がかかった
釣竿がしなるぐらいにぐいぐいと凄い力で引かれていく、大物に違いない

突然、男は以前にこの場面を夢で見たことがあると思い出した
しかし、その時に釣り上げた大物が何であったか、どうしても思い出せない
そしていよいよ水面から大物が正体を現そうとした瞬間、男は突然思い出した

夢で釣り上げられた大物が、自分自身の死体であったことを!
途端に男は恐怖に駆られ悲鳴を上げて釣竿を手放すと一気に逃げ出した
足場の悪い岩場でころびそうになりながら走る、とにかくその場を離れたかった

結局、大物の正体が判明しないまま、その渓流には二度と行かないそうだ

コメント

  1. より:

    まず糸が切れるか竿が折れます

  2. 匿名 より:

    海釣りにしたらもっと雰囲気出たかもね。

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