先生 おはよ(塔子様からの投稿作品)

私の姉には霊感があります。
ただ、今みたいに心霊話が市民権を得ていたわけではなく、
幽霊などのオケルト的な話を真剣な表情でしようものなら、
「かまってちゃんか?」「虚言癖があるかも」「ああ はいはいはい よかったね」
とあしらわれるのが常であるため、実際に姉が私に語ってくれた話は極僅かです。

その中で、この話は、今から20年ほど前、姉が社会人になってから体験した、数少ない不思議な話です。

とある食品業界に就職が決まった姉は、何週間かの研修期間を経たのち、バスで数十分ほどの、比較的通い易い就業場所に配属されました。
盲腸路線とも呼ばれる私鉄に乗ってJRに乗るのが私達近隣の住人が通常遊びに出るルートなのですが、
バスの乗り場が家とJRの駅の中間にあったため
私鉄を使わず、普段は長年住んでいる人も歩かない道を通ってバス停まで行くコースを選択したそうです。

通い始めて何日かした、ある朝の事

「先生 おはよ!」

元気な子供の声で、うつむき加減で歩いていた姉はその声の方に視線を向けました。
みると、前方(つまり駅の方)から小学校低学年の男の子が二人、スキップしながら先ほどのセリフを口にし

「おう おはよ!」

男の子の声に応じるように、やはり元気な声を出す女性とハイタッチ(子供にとっては)していったそうです。
その女性を見てびっくり。
まだ春先で寒いとはいえ、厚手のコートを羽織り、白髪混じりの髪の毛はひっつめ。服の感じが全体的に埃っぽい。
何より驚いたのは、履いていた紺色のタイツが伝線どころではない、もうボロボロにやぶけていたそうです。

ただ、今と違い当時はタイツやストッキングは高級品でしたし、伝線しないようなノウハウが雑誌の特集になったりする時代だったので
多少の伝染なら、糊で止めて使ってました。
姉も「通勤途中で伝線したのかな。コンビニで買うのも高かいし、今は我慢して履いてるんだろうな」と一人納得したそうです。
むしろ元気な子供達と、それに応じる気さくな先生、その姿は非常に微笑ましいものがあったそうです。

しかし
その様子が毎日毎日二度三度と繰り返されると、さすがに姉もいくつかの違和感を感じてきました。

この女性が先生なら、なぜ先生と生徒が朝の通学時間にすれ違う形で登校しているのか
男の子二人が被っている校帽は紺色だけど、この周囲でそんな変った色の帽子を被ってる学校を知らない
(昔はほとんど黄色一色と言っても過言ではなかった)
その先生と生徒の姿を見かける時間帯は、だいたい8時半。通常の小学校にしては遅くないか。
その先生と生徒がすれ違う場所は、駅へと向かう比較的わき道も人通りも多い道だけど、気が付けばいつの間にか女性が目の前に立っている
そして何より
いつもその女性は、ボロボロに破けた紺色のタイツを履いている。

しかし、何度となく恐ろしい霊体験をした姉にしても、 
薄気味悪いとか、なんだか怖いとか、そんな「怖さ」は全く感じなかったとの事。
だから、多少おかしな点があっても
「時代が変ったんだなー」程度でなんとか納得しようとしていたそうです。

「先生 おはよ」の儀式を毎日のように繰り返し見て
ある日から、姉は今度は遅番のシフトに移行する事になりました。
朝ゆっくりと起き、いつもと違い人通りの少ない駅への道を歩いていた姉でしたが

いつもの場所でその足は凍りついたように止まり、
そしてもう一歩も動けなくなってしまったそうです。

「先生 おはよ」
「おう おはよ」

いつも見慣れたその風景が目の前に広がっていたそうです。
時間は10時をすでに回っていました。

姉の中学時代からの友人で、やはり霊感のある知人に相談したところ
それは恐らく女性の生霊ではないか、女性教師に非常な未練を感じられるとの答えを得たそうです。
実際、その「先生 おはよ」のシーンに遭遇するのは実は工事中の作業現場のまん前だったそうです。
ただそこで死亡事故とかおきた話は聞いたことはないです。(いくらなんでも耳に入りますし)
が、知人曰く、人の思いは場所だけでなく、当時その場所に存在した物にも宿るそうです。
クレーン車、ブルドーザー、フォークリフト……

なんらかの事故に巻き込まれたと言ってもおかしくない
女性の埃にまみれた衣服、伝線したタイツ。

「先生おはよ」 と 元気良く声かける生徒達と、何の未練を残したのか

探偵でもない、一市民としてはそれ以上の事は分かるはずもなく(中学時代の知人は、すでに遠く離れた岐阜に住んでいた)
姉はほどなくして、もっと良い通勤ルートを見つけて、そちらで通い始める事になったので、この話はこれでお終いです。

*文章書くことに慣れていないため、酷い出来で申し訳ありません。
姉もあんまり怖そうに語ってくれないのです(普通にサラリと話す)

コメント

  1. (●⁰౪⁰●) より:

    うん。文章へたくそ。
    なんでストッキングとかが高級品な時代にコンビニなんかがあるのぉ?

  2. より:

    ストッキングが高級な時代にコンビニはあったけど??

  3. 炭子 より:

    みんな悪いところを探すんじゃなくて、
    いいところを探すことにしよう。

  4. 匿名 より:

    オケルト

  5. 匿名 より:

    ↑それ気になった(笑)

  6. 匿名 より:

    お!ケルト民話?

  7. 匿名 より:

    オカルトって今も市民権ないと思うけど

  8. 匿名 より:

    こんだけ叩かれてるということは、つまらないと言うこと。
    良い作品には変なコメントもつかない。

    不思議で不気味な話にすらなってない、ただの意味不明な話は誰も読みたくないってこと。

  9. より:

    コメントがつかないのはどうでもいい話だからじゃない?賛否両論あるほうが良いと思う

  10. ( ̄∀ ̄) より:

    つまらない話だろうがなんだろうが、こういう説明のつかない不思議な話って実際たくさんあります。
    これは体験したひとにしかわからないです。

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