いきなりですが1年前に住んでいた恐ろしい家の話をしようと思います。
1年前、田舎から状況してきた僕は同い年のA、Bと共に会社の借りた一軒家に住んでいました。
その家は見た目こそボロですが中は以外と綺麗で、それぞれの自室も広々として快適でした。
ただ困る事と言えば、山の中に立っているため家の周りが背の高い木々に囲まれており、家の中にあまり日が指さないという事くらいです。
まぁこれと言って心霊現象など起きる事もなく日々は過ぎて行き、この家に住み始めて3ヶ月が経った少し蒸し暑い日、
僕は会社の人間から少し嫌な噂を聞きました。それは・・・・・
この家に入居した人間はこの時期になるとみんな出て行くというのです。
その理由を聞こうとしたのですがその人は押し黙ったまま、ただ「ごめん・・・あまり喋りたくない・・・っていうか思い出したくも無い・・・」
と言って話してくれません。
なんだか凄くモヤモヤした気持ちを抱えながら其の日の仕事を終え、家に帰りこの事をAとBに伝えたが二人共あまり気にしてない様子。
AとB曰く「よくある怪談話みたいなもんだろ?気にしないでいいんじゃない?それに俺お化けなんて見たことないしぃ~見えないしぃ~」
って感じでした。
僕もお化けなんて見た事なかったので「まぁなんか出たら他の部屋に2人いるしなんとかなるっしょー」って感じで軽く考えていたのです。
しかし僕らは後に思い知るのです。この家の本当の恐怖を・・・・・・・そしてこの話を聞いた1週間後、僕らは1人残らずこの家から出て行く
事になるのです・・・・・・・。
あれから2,3日が過ぎた頃、最初に異変が起きたのはAでした。ある朝、飯を食っていると俺の部屋のドアが勢いよく開けられ、
Aが汗だくで転がりこんできました。
いきなりの事で何が起きているのかわからずオロオロしているとAが、「なぁ!俺の背中がなんか凄く痒いんやけど!俺の背中
どーかなっとらん?」と言いながら背中を見せてきたのですが・・・・・・・・・
その背中には所狭しと赤いブツブツができていたのです。朝からキモイもん見せるなカスが!と思いながら取りあえず
病気かもしれないから病院に行く事を進めましたが彼はひたすら拒否します。その理由は・・・・
彼は中々のイケメンで様々な女を食ってきたツワモノ。そんな彼は「愛する女の体温を遮るゴムなんて俺には必要ねぇ!」
というアホなこだわりの持ち主であり、そのために今までかかった性病も数知れず。ここら辺の病院は一通り巡っているため
俺が行ったら「また性病か!」みたいな顔で先生や看護婦が見てくる。俺にはそれが耐えられないんだ。というものでした。
とりあえず其の日はBが持っていた痒み止めを塗りたくって仕事に行ったようですが、結局痒みに耐えられず途中で帰ってきて
いたようでした。
そんな原因不明な病を目の前にして少し嫌な予感を感じつつその日も仕事を終え帰宅。
「次は俺があの変な病気にかかるんじゃないか?」と少し恐怖を感じつつその日は眠りにつきました。
そして布団を鼻まで被りそろそろ夢と現実の区別がつかなくなるかなーという時に異変が起こりました。
なにやら鼻のあたりがムズムズするのです。僕は夏風邪でも引いたかな?と思い、少し鼻をすすりました。すると・・・・・
「ズボッ」と鼻の中に何かが入ってくるのを感じました。一瞬何が起こったかわからずボケーっとしていると
「ガサガサッ」と鼻の中で何かが・・・・・・・一瞬で現実に引き戻され思い切り鼻から息を「フンッ」と吐き出すと
なにかが鼻からプラ~ンと垂れ下がるのを感じました。急いでそれを引き抜き床に叩きつけ部屋の電気をつけ
一体なにが入ってきたのか確認すると・・・・・・・・・・・・・
それは少し小さめの百足でした。あまりの出来事にパニックになりながら取りあえずBの部屋へ行くと彼は熟睡中。
かまわず彼の部屋の電気をつけた時、僕はさらなる恐怖にちょっと200mlほど股間から聖水を出してしました。
Bは普段からズボラというか大雑把というかそんな奴で風呂も2日に一回くらい。歯磨きなんて一週間やらないことも
あるようなツワモノ。
僕が部屋に入った時、彼は仰向けで大口を開け寝ていたのですが、なにやら彼の口元に黒い物体がいるのです。
「?なんだこれ?」と思って近づくとその黒い物体は「カサカサカサ・・・・」と逃げていきます。それはゴキブリでした。
なんとゴキブリが彼の歯垢を食べに来ていたのです。あまりの事に言葉も出ず僕は部屋の電気をつけたまま
彼の部屋を後にしました。
次の日。 僕は昨日起きた事を二人に話しました。 Aは「うげぇ」見たいな顔をしており、Bはなんで起こさなかったんじゃ!
と3分の2くらいキレながら、珍しく入念に歯磨きをしていました。
三人で相談した結果、とりあえず他に行くところもないし虫共をなんとかするしかないやろ。という事になり、
其の日は仕事を休んで近くのスーパーでバルサンをしこたま買い込んで虫退治をしてやりますた。
其のお陰かしばらくの間虫に悩まされる事もなく平和にオナニーをこなす日々が続いたのですが・・・・・・
その平和は3日と持ちませんでした。
バルサンDAYから三日後の夜、彼女とのデートに出かけたAの部屋でこっそりエロDVDを見ていた時の事です。
少し暑いのでエアコンでも入れようとスイッチを入れた瞬間・・・・「ポトポト・・・・・・ポルポト」とエアコンの噴出し口から
何かが落ちてきました。 その正体は・・・・・・ゲジゲジでした。しかも3匹。声にならない叫びというものを生まれて初めて
あげながら後ずさりして落ちたゲジゲジを抹殺する道具を探していると・・・「サササササササ」とゲジゲジがこちらに向かって
走ってくるのです。 本当に恐ろしかった。 ここに住む虫共は人間を恐れないのです。
とりあえずAの部屋から逃げ出しドアを勢いよく絞めた後、最近口を聞いてくれないBの部屋へ逃げようとした瞬間、
バタンッ!とBが凄い勢いで部屋から飛び出してきました。
急いでBに駆け寄り何が起こったのか聞いてみますが 「もう無理!もう出ていく!」と言うばかりです。
怖いという気持ちもあったのですがとりあえず何が起きたのか知りたかったので彼の部屋に入ろうとするとBが一言
「箪笥の・・後ろ・・」と呟きました。
何のことだかよくわからなかったのですが部屋へ入り彼の箪笥の後ろの隙間を覗き込むと・・・・・・
暗くてよく見えないのですが何かが動いているのが見えます。なんだろう?ゴキブリか?と思い少し箪笥をずらすと
「ササアササササササッサササッササアササササ」と恐ろしい数のゲジゲジが這い出てきたのです。 恐怖のために少し多めに
見えたかもしれませんがそれでも20匹以上はいたと思います。
急いでBの部屋から飛び出てそのまま玄関へ直行。 二人とも家の外に飛び出して玄関の方を振り返った時に
またしても恐怖が・・・・
玄関の明かりに無数にたかる蛾。それを食べに集まったのであろう無数の百足とゲジゲジ。
もう限界でした。
其の日は二人共近くに住む会社の先輩の家に泊まり、次の日に専務に頼みこんで三人共次に住む場所が見つかるまで
専務の家に住むことになりました。
結局僕は次に住む場所が中々見つからず今は事務所の二階の狭い部屋に寝泊りしています。Aはあの日の夜に彼女から
子供が出来ている事を告げられそのまま彼女の家に転がり込みました。Bはあんな思いするくらいなら高い金出してでも
上等な場所に住みたいという理由から海辺の家賃激高のマンションに住んでいます。
今でもたまにBとあうのですが、彼も僕と一緒で未だに箪笥の裏の隙間が怖くて、箪笥と壁の間にガムテープを貼っているそうです。
皆さんの家はどうですか?たまには箪笥の後ろも掃除してあげた方がいいですよ?
コメント
一番怖かった
所々素敵な表現に吹いた
小説家になれる気がする
「ポトポト・・・・・・ポルポト」で噴いた
書き方面白い!!虫の話はきもかったけど、話が面白いからよかったw