友人にちょっとアレな奴がいた。

俺自身に霊感はまったく無いんだが、友人にちょっとアレな奴がいた。
オカルトとかそういうのに首突っ込むのが好きで、ちょっと見えるらしい。
仮にSとする。

最近久しぶりに会って、まあ高校の時の思い出話やら最近遭遇した心霊体験の話を聞いた。
晩飯食うのに良い店を知ってると言うSの話に乗って、電車に乗り込んだ。
会社員と学生混じりにそこそこ込んでいる車両だったが、三人席が一つ開いていた。

俺が座りに行こうとすると、Sが俺の服を引っ張ってそれを制した。
「何で誰も座らないかわかるか?」
Sはにやにや笑ってた。
オカルトが絡んでるときはいつも楽しそうににやにや笑う奴だから、
俺は、あ、やばいんだなって思った。
そういえば三人席が開いているのに周りの学生や会社員は誰もそこに座ろうとしない。
「……わかんねえけど」
「ほんっと鈍いよなー周りがこんだけ避けてんのによー」
「何をだよ」

「お前、明らかにずぶ濡れで陰気な男が座ってたら、避けるだろ普通
座りたければどーぞ。俺は責任もてないからな」

とにやにや笑うSの言葉が本当かどうかわからないが、
確かに車両全体の空気は少しおかしかった。

酒飲みながら電車にいた奴の話を聞いたが、
車両内にいた人間全てがそれを見たわけでもないらしい。
「本当に見えていたのは一部で、
あとはなんとなく「座っちゃいけない」っていう雰囲気を感じてただけだと思う。
まーお前そういうのに鈍感だしなー」

電車の中に幽霊が紛れてるってことはよくあるらしい。
気付かないでそこに座ることも少なくないから気をつけろよ、
とも言われたけど、そういう気配に疎い俺には対処がわからなかった。

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