昔の医師国家試験

医師国家試験がそれなりに難しいものになったのは、昭和49年(翌年だったかな?)の制度改正以来です。それまでは合格率はほぼ100%で、落とすためではなく、最後の儀式のようなものだったようです。そこで語られる「いかに昔の国家試験が容易であったか」の伝説。

前の制度では「面接試験」がありました。なんでも、後楽園球場のスタンドを使ったりしてやった事もあったそうです。多人数を分散させる場所がなかったんですね。

ある受験生、試験官から一枚の胸部レントゲンフィルムをみせられ「君、これはなんだと思うかね」と問われました。彼はそこに写っている病変については全くわからなかったので、しばし考えたあげく、「それはレントゲン写真です」と答えました。

「間違ったことさえ言わなければいい」という先輩の教えを守った彼は、当然合格したと言うお話。

現在の医師国家試験では、アメリカの試験形式を流用した、まか不思議な多肢選択問題が山と出題されます。授業を何とかこなすだけの勉強をしてきた連中には、最終学年のラスト数ヶ月かかり切りにならないと合格は難しい。と言っても落ちるのは10%強。だからこそ落ちられない。一部医大では合格率を維持するために大量に留年者を出す所もあるそうで、国家試験のための予備校のようなものもできているとか。のんびりした時代の伝説はもう生き延びられそうにありませんね。

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