お面の神様

俺が小学生の頃の話。
昔っから絵を描くのが好きだったんだ。コンクールとかもよく出してた。
で、6年の夏休みの時、なにを考えたかお祭りの絵を描こうとした。
お面を着けて踊っている人の絵。
俺は狐面と般若を描こうとした。まだスマホなんてなかったから、近くの神社に
行って見ながら描こうと思った。
学校でお世話になってたから、神主もすんなり見せてくれた。
で、いざ描こうとしたら頭の中に低い声で(ねぇねぇ…ねぇねぇ…)って響いてきた。
びっくりして辺りを見回したら神主がいなくて、お面がある倉庫っぽいとこに
俺一人。振り替えれば目の前にお面があって、俺チビった。
泣きながらそこを出て、神主に泣きついた。今までの事を話すと、
「怖かったね…。でも大丈夫だよ。あれはねぇ、神様なんだよ」
「ツクモガミって知ってるかな?人が心を込めて作ったり、大切にされたものには神様が宿るんだ。そう、ツクモガミ。悪い神様じゃあないからね」
「神様を見れた君は幸運だね」
みたいなことを言われて、ささっと家に帰された。
あれからあんな体験はしていない。だが、今でもしっかり覚えている。

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